京都の写真館 ながおかスタジオ 遺影写真について

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心地よい季節というものは日本には無くなってしまったのかと思うくらい、爽やかさとか心地よさを感じることが難しい毎日ですね。自分の伝えたいことを伝えるのは本当に難しいなと思うこと、ありませんか?伝え方はいろいろで、口で伝えたり、お手紙だったり、メールやライン・・・ながおかスタジオであればこうしてブログやチラシでながおかスタジオの思いを皆さんにお伝えできたらと思っているわけですが、自分の口で伝えるのも難しい時はありますが文章で自分の気持ちを表すことは顔が見えない分また難しいものであると感じます。例えば、「遺影写真」について。このテーマはもう毎日いろいろ思っています。自分の気持ちはいっぱい持っているのに伝える前にいろいろ考え込んでしまうのです。それはきっと「生と死」が直接に関係してくることであるからだと思います。人はいつどうなるかはわかりません。それでも、まだまだお元気な皆さんに「遺影写真を撮影しましょう」と提案をすることは正しいのか・・・それはわかりません。でも、急なことがあって「遺影にしたい写真がなくて・・・」とちいさなスナップ写真をお持ちになるご家族の、残念そうなお顔を拝見すると遺影写真を事前にご用意しておくことの良さは心から感じます。小さくお顔が写ったスナップ写真を遺影写真のサイズにすればやはり鮮明さはなくなり、「いつもとは違う顔」の印象になります。「引き延ばしたらこうなりますよね。」「もっといい写真があれば良かったんですけど・・・」そうおっしゃるお客様のお顔を拝見し、お写真をお渡しするのが写真館としては本当につらい。そう思うと、写真館でいつかのための写真を撮る、それは縁起の悪いことでもなんでもなくて、元気な時に撮影された肖像写真がいつの日か「遺影」となると思うのです。

家族写真や七五三の写真を素敵だと褒めてくださるお客様や、ながおかスタジオの窓辺に飾られた写真を褒めてくださる通りがかりの方々・・・そこにいつかの遺影用とした肖像写真を飾ったら気を悪くされるでしょうか。私はそうは思っていません。これまで何人ものお客様の「遺影用に」とおっしゃった写真を撮影させていただきましたが、それは素敵な時間でした。皆さんはこれからを元気に生きていくために遺影写真の撮影に来てくださっているように感じました。好きなお洋服を着て来てくださったり、おしゃれな帽子を被って来てくださったり、ネックレスをどっちにしようかと二つお持ち頂いたり・・・そんな一つ一つの時間が素敵でない訳がないと思います。仕上がりの写真を受け取りに来てくださった皆さんの表情と「用意しておいたら気持ちが楽になったよ」とのお言葉に、私たちのしていることはきっと間違っていないと思わせていただいている気がします。そしてお客様の「また来年も撮りにこようかな」そのお言葉にずっとずっとお元気で毎年肖像写真を撮らせていただきたいなと心から思います。

言葉でうまく伝えようとすると考え込んでしまったり、考え出すと分からなくなることもありますがうまく伝えられなくても素直な気持ちと写真があればきっと伝わるのかなと思った日でした。

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