七五三の撮影の中で、毎年何件かのお客様に「七歳の時に七五三ができなかったのですが、着物は着られますか？」との問い合わせをいただきます。七五三はその名の通り、数え年、満の歳を含めて三歳、五歳、七歳と年齢が定められてはいますが、誰もがみんなその歳に七五三ができるわけではありません。色々な事情でその時に写真を撮ることができないことももちろんあると思います。その時には撮ることができなかったけれど着物を着てきちんと写真に残したい。そう思って下さる気持ちに私たちながおかスタジオもできる限りお応えしたいと思っています。が、やはり気になるのは七五三の着物がお子さんの身体に合うかどうかですので事前にながおかスタジオに着て着物合わせをしていただきます。先日も時間を作ってくださってお母さんとお子さんがながおかスタジオに来てくださいました。彼女は二年生。笑顔の可愛い女の子です。七五三の着物の中でも多少大きさに違いがあるものもあって十分に着られるものともしかしたら少しお袖が短いものと、そのことはお伝えしますがもう彼女にもきっと色の好みがあるでしょうからまずは彼女に選んでもらうことにしました。並んだ着物の中から目をキラキラさせて選ぶ姿。かわいらしすぎる姿だけでもう私はちょっと胸がいっぱいになってしまうのですが。そうして彼女が選んでくれた着物いくつかに、順番に袖を通して鏡で見てみます。本人はもちろん、鏡越しに映るお母さんもとってもとっても嬉しそう。「さっきのとどっちが良かったかなぁ」「どっちも似合ってるよ。迷うね。」なんて会話も幸せの時間。我が娘の七五三をふと思い出しました。
こうして日々私たちはお客様から色々な場面を通して幸せをいただいているんだなといつも思います。写真を撮るということは流れ作業では絶対にそこに何も映らないはずです。取りに来てくださる皆さんの気持ち。それぞれの年齢のかわいらしさ。自然な仕草。写真を残したいと思ってながおかスタジオを選んで来てくださったお客様に私たちができるのは着物選びや、撮影当日にながおかスタジオに来ていただいてからおかえりいただくまでの、すべての時間が思い出になるような温かな時間を過ごしていただくことと、そして何よりも、皆さんにとっての素敵な写真を残すこと。
彼女の七五三がどうか素敵な思い出になりますように。